鞄に二冊

少しでも空き時間ができると、本が読みたくなる。

「チェイサー」6

最終巻なのは意外だ。終盤で時間が一気に流れたが、まだまだ続けてほしかった。なんらかの「判断」が働いた結果かも知れないが、漫画自体も地味ながら面白かったし、手塚治虫評伝として、また昭和30年代・40年代の漫画史的な意味合いもあり、連載終了は残念である。

本巻は、「終わり」と見られていた手塚治虫が「ブラックジャック」で復活するところから始まる。「終わり」と見られていたかどうかは知らないが、「ブラックジャック」は僕自身リアルタイムで読んでいたので、臨場感があった。この作品の力もあってか「少年チャンピオン」がぐんぐん部数を伸ばしていった時代だが、掲載作品として「ドカベン」「うしろの百太郎」が挙がっていて、「あとひとつ、ギャグ漫画が嵌まれば」と言われた後に登場したのが「がきデカ」である。

それは間違いではないのだが、ここに「ふたりと5人」(吾妻ひでお)の名が出ていないのは納得いかない! 「がきデカ」の前に人気を集めたナンセンス・ギャグ漫画である。アンケートでも、「ドカベン」は断トツ一位を独走していたというが、「ふたりと5人」はずっと二位につけていたはずだ。

チェイサー (6) (ビッグコミックス)

チェイサー (6) (ビッグコミックス)

(2019/8/20 記)