鞄に二冊

少しでも空き時間ができると、本が読みたくなる。

「EYES」

  • 生田悠理「EYES」(オフィス漫)

EYES

EYES

Amazon

短編集。表題作と「キミがTVスターなら」所収。

2018年12月7日刊と思われるが、奥付に「©Yori Ikuta, 2013」とある2013の意味が不明。

亜月亮山内規子の本を検索したら生田悠理の著書がお薦めに表示されるようになった。Wikipediaもないので詳細は不明だが、Amazonの作品リストを見ると、メインは実録ものなのかと思うが、それ以外にサスペンス系の作品も書いているようである。というわけでその中の一品。

事故により視力を失っていたモーリは、角膜移植手術を受け、光を取り戻した。だが、赤い色を見ると発作に襲われるようになる。角膜には、角膜提供者の「記憶」が焼き付いていた。実は、角膜提供者は殺されていて……という展開。

犯人はだいたい想像がつくのに、主人公が危険なエリアに能天気に踏み込む辺りはややご都合主義を感じさせるが、セリフや立ち回りに格好いいところがあり、飽きさせない。

角膜に持ち主が見た光景が焼き付けられる、というのは手塚治虫にも類例がある。現実にはあり得ないのだろうが、なんとなく、あってもおかしくないと思える点が、漫画のネタとして絶妙というところであろうか。

ミステリー&サスペンスの佳作。


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