- 生田悠理「ヘアメイクは見た!」
kindle版は2019年9月30日、青泉社刊。紙の本は出ていないようだ。
留衣は、テレビ局で働く駆け出しのヘアメイク。芸能界は楽しいこともあるが、どろどろした部分もある。次々に巻き込まれる事件を、恋人の谷口瑛二(シナリオライター)とともに解決する連作短編集。
これまで紹介してきた作者得意のサスペンス・ミステリー系の物語なのだが、タイトルと「芸能界スキャンダル事件簿」という副題が厭らしい。どういう媒体に掲載された作品なのだろう。最近よく目にするスキャンダル暴露系の作品のようにも取れる。
先輩ヘアメイクのGINは、女性だと思い込んでいたが、銀男(かねお)という名の男だった。留衣はGINから、同級生の谷口を紹介してもらったと第一話で説明されたが、GINが谷口に好意を持っているような素振りもあり、三人の関係がよくわからなかった。早い段階で説明がほしかった。