鞄に二冊

少しでも空き時間ができると、本が読みたくなる。

「嫁ぎ遅れた狐が嫁に来る話」3(新刊)

  • ざんまゆう「嫁ぎ遅れた狐が嫁に来る話」3

2022年5月27日刊。前回、「3巻以降はどうするかな」と書いたが、やはり新刊が出たと知れば読みたくなりますな。

こがねの姉が登場。婚前交渉が当たり前の時代に、まだ二人が関係を持っていないことに驚き、盛んにけしかけるが……

吾郎は真面目な性格で、こがねのことを大事に考えているのはわかる。まだ結婚する気がないのもわかる。が、結婚する気がないと言いつつ、一緒に暮らし、尻尾を触り、一緒にお風呂に入る。これはいいのか。こんな付き合いを続けながら、「やはりあなたとは結婚できません」となることがあっても、それは吾郎的にはOKなのか。それがわからない。

結婚を視野には入れるが、結婚するかどうかわからない相手とのお付き合いは、時々会って食事をしたりするような関係にとどめるべきではないか。自分だったら、そういう相手とはセックスはしても一緒には暮らさない。

どんなにお互いをよく知ることに努め、万全を期しても、いざ結婚すれば「こんなはずではなかった」ことは次々に起きるものだ。たいていの場合、そこは喧嘩を繰り返したり、話し合ったりしつつ、折り合いをつけていくのである。そして、どうしても折り合いがつかないとなれば、離婚という手段がある。一緒に暮らしてもいいと思える相手なら、結婚すればいいのにと思うのだが。

法律的には、離婚するより同棲を解消する方が楽かもしれないが、気持ちの上では、同棲だけなら破局しても気にしないでいられる、なんてことはないだろう。それとも「戸籍に傷がつく」ことを恐れているのだろうか。