鞄に二冊

少しでも空き時間ができると、本が読みたくなる。

「重役秘書リナ【完全版】」1

  • 原作・今野いず美、作画・楠木あると「重役秘書リナ【完全版】」1(モーニングコミックス)

1996年からモーニングに連載されていた懐かしい作品。仕事に打ち込むビジネスマン・ビジネスウーマンを描いた作品が一定のジャンルを築いていた時代……の佳作。自分も30代で仕事に打ち込んでいた時期だったため、そういう作品は割とよく読んでいた。本作も単行本を揃えた(はず)。

このジャンルに属する作品というと、小学館系だと「なぜか笑介」とか、集英社系だと「人事課長鬼塚」とか「監査役野崎修平」とか、講談社系だと「課長島耕作」とか「この女に賭けろ」とか……おっと、島耕作以外は全部単行本を買ってたわ(島耕作は運だけで世渡りをしている人間で、本人は仕事できないし仕事をしていないから、ビジネス漫画だとは思っていない)。

当時の単行本に未収録だったイラストを収録した「完全版」がkindleで再刊されたようなので、思わず入手してみた。

時代だなあと思う。今でも銀行や大手メーカーの重役はこんな風に秘書を雇っているのだろうか。少なくとも令和の世では、リナのやっている仕事の大半はスマホで済むだろう。また、残りの業務の大半は、本来の役割の人がきちんと本分を果たしていれば不要のはず。仕事の効率化を進めていくと、秘書というような職種はなくならざるを得ないだろう、と思うが、今でもこうした仕事の進め方にある種の憧れを持っている人は少なくないのかな。



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