鞄に二冊

少しでも空き時間ができると、本が読みたくなる。

「ゴルゴ13」5

内容

  • 帰ってきた標的
  • 殺意の交差
  • 白の死線
  • スタジアムに血を流して
  • 飢餓共和国

雑感

帰ってきた標的

依頼者は自分の上司であるところのマフィアのボスの殺害を依頼する。が、ゴルゴに教えたボスの移動ルートは替え玉のものであり、要はゴルゴに替え玉を狙撃させようとしたのだ。マンガン読者である我々からすれば、ゴルゴに隠し事をしてはいけない、素直に、ボスに扮した替え玉を狙撃し、ボスが死んだことにしてほしい、と依頼すればよかったのだ、と思うが、現実に、殺し屋を信頼しろと言われても難しいところだろう。なお依頼料は5万ドル(1800万円)だった。

殺意の交差

これまではもちろん、単行本が200巻を超える現在までを含めても、ゴルゴの最大の危機はこの時ではなかったか。ほんのわずかのタイミングで難を逃れたが、ゴルゴが死んでもおかしくなかったし、ゴルゴにはそれを防ぐことはできなかった。

白の死線

しょっぱなからピンチに追い込まれる。「イヌ!? まさか山に逃げ込んだとは考えまいと思っていたが……イヌを連れていたとは……くそっ、これではここで時間待ちとはいかなくなったぞ……」などと弱音を吐くのは珍しい。

狙撃する時に遠距離からスコープにターゲットを捉えていたのに、わざわざ近づいて(敵の反撃を許す距離で)撃った理由が不明。犯人をわからなくさせること、反撃を受けにくくすること、逃走のしやすさの観点から、狙撃はできるだけ遠距離からが鉄則だと思うのだが。

最後に依頼人を殺すのも謎。情報を流したということか?

依頼料は5万ドル。

スタジアムに血を流して

アマのトップ対プロ。もちろんアマチュアがゴルゴに敵うわけはないが、最初に相対した時、デイブがゴルゴのカフスなんかと飛ばしたりしないで心臓か脳天を狙っていたらやれたのではないか? それをしなかったのがアマチュアなのだろうが。

飢餓共和国

ナイジェリアの内戦に巻き込まれた一般女性が哀れ。この女性がなぜガボン共和国にいたのか、なぜ台風で定期便が欠航したからといって、次の便を待たずに飛行機の白タクに乗ろうとしたのかが謎。現地人と同乗することになり、それを嫌がって「この人たちを降ろして! お金なら出します」と言うものの聞き入れてもらえない。一見傲慢でわがままな行為に見えるが、振り返ればこの勘は正しかった。それならば自分が乗るのをやめればよかった。この女性の背景が一切描かれないため、あまり同情できない。


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