鞄に二冊

少しでも空き時間ができると、本が読みたくなる。

「無重力少年」2

風子を盗撮しまくっている人がいると思ったら、元彼・潮崎鉄郎だった。元彼といっても、潮崎が告白してきた時、彼氏の一人くらいいた方がいいよねと思った風子は、潮崎が嫌いではなかったためOKしたが、手を握られて違和感を持ち、キスされかけて「自分はこの人が好きではない」と気づき、交際を断わったという、わずか二週間の彼氏。その潮崎が、風子が流風に恋している(しかし片思い)ことに気づき、取られまいとしてか、猛烈にアプローチしてくる。うざいけど、正直、風子の流風に対するアプローチも結構うざいから、この二人は案外似た者どうしではある。まあ、似た者どうしはうまくいかないことが多いと思うが……

休み時間、夏希は右耳、夕海は左耳にイヤホンを指して一緒に聴いているところへ風子が話しかけるが夏希は気づかない。風子が怒るとイヤホンを指していたから聞こえなかったと夏希は答える。左耳が空いていたからそれは嘘だ、私の相手をしたくなかったんだろうと風子はさらに怒るが……これは大事な伏線。

バレンタインに夕海は夏希にマフラーを贈る。夏希は喜ぶが、これは流風に買い物に付き合ってもらって選んだもの。それを聞いた夏希は不機嫌になる……。こういう話を聞いて思うけど、何を贈ったらいいかわからなかったら、友人である流風に聞いたり、買い物に付き合ってもらったりするのではなくて、なぜ本人に尋ねないのだろう。なぜ本人と一緒に買い物に行かないのだろう。いくら自分への贈り物を選ぶためとはいえ、彼女が別の男と一緒に買い物に行ったりしたら面白かろうはずがないのは当然だと思うが、なぜそれに気づかないのだろうか。世の中のサプライズ神話というのは異常だと思う。

さて、せっかく流風との距離が縮まりかけたのに潮崎が邪魔するせいでまた距離が開き始めた時、空を飛ぶ気球から風子が落ちるという事件が起きる。一緒に乗っていた流風が即座に一緒に飛び落ち、風子を救う(引力を調整すれば落ちてもヘーキ、ということらしい。風子はまだ体重調整に慣れていない)。命が助かった風子は思わず流風にキスをするが、その後は恥ずかしくて顔を合わせられなくなる。

そんな矢先に夏希、夕海、流風、風子の四人で沖縄にアルバイトに行くことになり……

かつて、流風から能力をもらった夏希は崖を歩いていて海に落ち、大けがをした。そのことに流風は自責の念を感じ、親しくなると能力を移してしまうから誰とも距離を置くようにしたり、夏希の言うことに逆らわないようにしたりするようになった……というのはこれまでに明かされていたが、夕海が流風からもらったペンダントを落としてしまい、それが崖の途中に引っかかっていたため、それを取りに行こうとして落ちたこと、その事故のせいで左耳がほとんど聞こえないこと、そのため好きだったダイビングができなくなったこと、夕海が夏希に告白してきたのはその直後なので、夕海は同情で自分と付き合っているのではないかという疑念が消えないこと、を夏希が告白する。

実は夕海は前から夏希が好きだったが言えなかった。流風は夕海が夏希とうまくいくように、応援のつもりで幸運のペンダントをあげたのだった。

風子は流風に告白。流風は、風子と友達ではいたいけど彼女とかは考えられないと返事。

真面目な恋バナよりも、沖縄の海でナンパしてきた大学生に、サーフィンで負けたら帰れとサーフィン勝負を始めてしまう展開が好きだ。



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