鞄に二冊

少しでも空き時間ができると、本が読みたくなる。

「無重力少年」1

「りぼん」2001年9月号より連載された作品。これまで紹介してきた作品だと「爆風シンデレラ戦線」「青春してるかい!」に続くことになる。実際には「Wピンチ!」(全4巻、未読)という作品が間に入るようだ。

学園ラブコメだが、超能力者が登場し、後年の亜月亮の萌芽が見られる作品。これまでの作品と比べ、目も少し小さくなっている。もっとも超能力は単なる小道具であり、話の展開は(絵柄も)典型的な少女漫画風(という言い方が当たっているかはわからない。少女漫画に詳しくない身にはそのように見えるが、カラっとしたコメディは珍しいか?)。

船越流風は遅刻の常習犯で、他の男子とあまり口をきかず一人で過ごすことが多い。

小波風子は明るく物おじしない性格。船越が屋上の手すりの上を歩いていたのを見て以来、彼に興味を持って接近する。

実は船越は重力をコントロールすることができる超能力を持っており、そのためビルの壁を普通に歩いたりすることができる。また、この能力は船越と親しい人には「うつる」という特徴があり、船越の親友の夏希、夏希の彼女の夕海も同じ能力を持っている。そして船越につきまとっているうちに、風子もこの能力を手に入れることになる。

こうした能力を他人に知られたら大変なことになると思うが、彼らは校舎の壁を歩いたりし、隠そうとしていない(その割に風子以外は彼らの能力に気づかない)。

風子は船越のことが好きになるが、夏希は風子のことを嫌っている。そして船越は夕海のことが好きなのだった……その後に巻き起こるドタバタ騒ぎをいちいち書いてはいられないのでバッサリ省略するが、船越から離れろ、という夏希に対して、風子が「じゃあ勝負だ!」と言ってバスケットボールの勝負を持ちかけるところはツボ。それいったい何の関係があるの?

パロディ

小波が見せる雑誌の「怪奇写真大募集」のページに描かれるサンプルの写真は、楳図かずお描くところの「怯える人」そっくりの絵だ。1970年生まれの亜月亮が物心ついた時には楳図は恐怖漫画は描かなくなっていたはずだが、こういうのを見ると、改めて楳図の残した影響の大きさを感じる。

ギャグ顔になった時は、初期のこいずみまりに似ている(時代的にはこいずみまりがあとか)。

発行

「爆風シンデレラ戦線」はビーグリー、「青春してるかい!」はJコミックテラス、本作はナンバーナインによる。集英社はそういうことをする気がないってことね。



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