鞄に二冊

少しでも空き時間ができると、本が読みたくなる。

「葬儀屋事件簿」1

  • 小林薫「葬儀屋事件簿」1(青泉社LGAコミックス)

連作短編集で第一話~第三話所収。2016年4月28日刊。電子書籍のみで紙版はない?

「葬儀屋 百合の事件簿」を購入の際にAmazonに「おすすめ」で表示されたため、興味を持ち、購入。

葬儀社が舞台であることは「葬儀屋 百合の事件簿」に共通だが、内容はかなり違う。

寿誠志郎は寿典礼の社長。東大法学部卒で元警視庁の刑事。家業を継ぐために刑事を辞めたが、警察とは太いパイプがある。そのため、9割が変死体だという。

田中よし子は女子アナウンサーを目指しているが受けたテレビ局は全敗。司会者希望でブライダルコーディネーターに応募したつもりが葬儀屋だった(「寿」という名を勘違いした)。彼女の視点で事件を描く。

第一話は、首つり自殺をした人の遺体が警察署から回ってきた関係で葬儀をあげることになった。が、死体を見た誠志郎は、自殺ではなく殺人だと見抜く。……

サスペンスよりミステリー色が強く、ホラー要素はない。ひとつひとつしっかりした話で、それに独身の社長と若い女性の新入社員が絡む。ミステリーの紹介はしにくいが、思ったより面白かった。

俳優の小林薫は男性だが、作者の小林薫はどうも女性のようである。

追記(2022-01-19)

紙版は2017年7月20日に刊行されていた。紙版の方があととは珍しい。なおこちらには、電子版には未収の「R20-罪と罰−」が収録されているとのこと。こういう風に、紙版と電子版と、タイトルが同じで内容が別という編集の仕方は断固としてやめてもらいたい。いったい誰にどんなメリットがあるのだろうか?


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