鞄に二冊

少しでも空き時間ができると、本が読みたくなる。

「ヴァイブス 知らねば仏、見ぬが秘事」1~6

  • 断華ナオキ「ヴァイブス 知らねば仏、見ぬが秘事」1~6

一冊に一話収録の短話版。既に17巻まで出ているので、そろそろ通常の単行本が出てほしい。とりあえず6巻まででエピソードが3つ、ここで一つの区切りとする。

少なくない費用を支払うと、特定した相手の「今」を見ることができる、というシステムを利用する人を描いたもので、「走馬灯株式会社」のフォロー作品と位置付けられるのではないかと思う。さらに言えば「笑ゥせぇるすまん」のフォロー作品であり、さらにいえばお伽噺の三つの願いをかなえてくれる悪魔の話のフォロー作品である。

走馬灯株式会社」では自分がかつて見たものを再度見るというもので、途中から他人の目が見たものも(本人の承諾なく)見られるようになってちょっとタガが外れた感があったが、本作は最初から「他人を見る」もの。もちろん、どういう技術でそれが可能なのか、フロントは「走馬灯株式会社」同様、妙齢の美女が務めるが、黒幕がどういう人物(組織)なのか、については(今のところ)明かされない。

そしてこれまでの作品同様、このシステムを使って他人の今を覗き見た人は(今のところ)誰一人幸せにならない。ま、そこがいいのだが。

絵柄が「リセット~不倫の代償~」に似ていると思ったが、こちらの作者は成田マナブで別人だった。

通常の単行本が出たら続きを買いたいが、短話版をこれ以上増やしたくない。

なお「ヴァイブス」はvibesのことだろう。英辞郎によると「〔人・場所・状況などを見て生じる〕感情[気持ち]、〔雰囲気などから起きる〕感情」とある。知恵蔵によれば「いいバイブス(いい雰囲気、ノリがいい)、バイブス上がってきた(気分が高揚してきた)といったように使われる」とのことである。へー。



漫画・コミックランキング