鞄に二冊

少しでも空き時間ができると、本が読みたくなる。

「セレブ刑事」1

  • 小林薫「セレブ刑事」(ビークリー)

2016年3月25日刊。完全版と銘打たれ、「『セレブ刑事(ブラン版)』『セレブ刑事』『セレブ刑事(サラ版)』の3作品とほぼ同じ内容」だとわざわざ断わりが入っているから、最初の単行本が出たのはもっと前なのだろう。絵柄からすると、比較的初期の作品だと思われる。
【追記】オリジナルは2009年4月20日刊、LGAコミックス(Bbmfマガジン)〔2023-12-07〕

総理大臣が電話一本で駆け付けると言われるほどの超お金持ち、城崎久乃刀自(きのさき・ひさのとじ)のたった一人の孫・城崎永遠子(とわこ)、23歳。両親とは死別。つまり久乃刀自の血を引く唯一の人間。外国語に堪能、射撃の腕も一流、合気道五段、柔道五段、剣道六段の腕前。ただし世間知らず。

この永遠子が、子どもの頃に可愛がっていた犬の命を救ってくれた有馬に好意を抱く。以後、専用の通信監視衛星で有馬の一挙一動をチェック。彼が警察官になったので、いよいよお近づきになるため、自分も(手をまわして)警察に入署し、有馬の部下になる。壮大なストーカーである。以後、永遠子&有馬の凸凹コンビが事件を解決するというコメディ。大金持ちの刑事が活躍するという点で「富豪刑事」や「謎解きはディナーのあとで」と同類。ただしテイストはかなり違う。

キャラクターは温泉の名前が主に使われている。城崎、有馬、有馬刑事の以前からの部下は鬼怒川、副総監は草津、ヤクザ組織は湯河原会、パチンコ店社長は水上、管理官は熱海、などなど……

有馬は、永遠子のことが気になっており、鬼怒川からもそれを指摘されるが、本人は頑なに否定。さてこの恋の行方は?



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