鞄に二冊

少しでも空き時間ができると、本が読みたくなる。

「猫のようなナニカ」

  • アヅミイノリ「猫のようなナニカ」(コミックエッセイ)

2020年1月31日刊。1とは書いていないけど、2巻が既に発売されているので、これは1巻。

主人公は江巳安連矢(えみあ・れんや)小学6年生。雨の降る日、バス停で雨宿りをしている「ナニカ」を見つけ、つい家に連れてきてしまう。猫かと思って……猫として……飼っているが、とても猫とは思えない、というか、とても地球の生命体とは思えない怪しい生き物だが、今日も連矢ハナニカを可愛がり、ナニカは連矢に懐いている、そんな作品。

猫と思って飼っているけれども実は……という作品は、他にも例がある。書棚を探して見つけたのは「拾って隠れて育てた生き物が思ってたのと違った」と「デキる猫は今日も憂鬱」だ。前者はある時期から明らかに人外の者に育っていくし、後者は一応猫ということになっているが、本当の猫だったら一人(?)で買い物に行ったり食事の支度をしたりはあり得ないわけで。

これのほかに、作者名も作品名も思い出せないが、猫と思って飼っているけど猫とはだいぶ違う……という作品を読んだ覚えがある。もしかしたら何年か前に本作(の一部)を見たのかも知れない。

「拾って隠れて育てた生き物が思ってたのと違った」はペットより恋愛寄りだし、「デキる猫は今日も憂鬱」では諭吉はお母さんなのか? 幸来は諭吉にかなり依存しており、飼い主の自覚が足りない。それに対して本作は、ペットをペットとして可愛がっている。猫ではないというだけで。そういう意味では普通のペット漫画でもある。