鞄に二冊

少しでも空き時間ができると、本が読みたくなる。

「貸出妻M」

2018年5月19日刊。「ゴラクエッグ」2017年10月~2018年2月掲載。

鳴子は小説家の夫・竹本美雨の目につくように浮気をし、夫はそれを知って欲情する、そのエネルギーで小説を書く……という話かと思ったが(当初はそのパターンだが)、もっとずっと奥の深い話だった。

何かに取り憑かれたように、人並外れた情念を抱いている人間を描いたら、松本救助の右に出る人はいない――というのは言い過ぎかも知れないが、迫って来るものがある。眼鏡に取り憑かれた眼鏡橋華子しかり、だ。

おまけにこの作者は、必要とあれば性行為を逃げずに真正面から描くのもいい。Amazonではアダルト漫画に指定されてしまっているのは残念だが(単話版は指定から外れている不思議)。



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