鞄に二冊

少しでも空き時間ができると、本が読みたくなる。

「死なないための本」

2018年8月19日刊(恐らく同人誌として)。2019年6月14日kindle版刊。作者がこれまでに実際に経験した編集者とのトラブルを漫画化したもの。悲しいことに事実だとのこと。

「副読・眼鏡橋華子」のあとがきで嫌な予感がしたのだが、雑誌連載をやめたのはトラブルが原因だったようだ。

第一話の「Bar:Mangalica」の出版元は「主婦の友社」だろう。第二話に出て来る作品は「いっぽん!!~しあわせの日本酒~」、掲載誌は「グランドジャンプ」(集英社)だろう。「眼鏡橋華子の見立て」を掲載していた「モーニング」(講談社)を含め、すべて老舗の一流出版社。信じられない話だが、作者が言うようないい加減な対応(フリーランスの受託側にとっては死活問題)を取る人がいるのだろうか。SNSのおかげで、他の漫画家さんの似たような話を目にすることがあるので、あるのだろう。

本が売れないとか出版不況だとか言われるが、制作側がこのような状況では当然の帰結だ。現在は昔と違い、漫画を発表できる媒体はたくさんあるのだから、漫画家さんはよい媒体を選び、こういうところが淘汰されていくことを祈るしかない。



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