鞄に二冊

少しでも空き時間ができると、本が読みたくなる。

「すくらっぷ・ブック」1

週刊「少年チャンピオン」1980年~1982年連載作品。秋田書店版(少年チャンピオンコミックス)は、恐らく1980年11月刊。kindle版(エンペラーズコミックス)は2018年3月23日刊。

当時「少年チャンピオン」は毎週読んでいたが、なんともさわやかな作品が登場したものだと思った。タッチはギャグ系で、描画はシンプルな線なのだが、なぜかすごく色気がある。それに惹かれて夢中で読んだ。

当時はあまり気にしていなかったが、現在読むとジェンダー的にいろいろ気になる。たとえば第一話、四人で音楽室にいるところへオバケ(?)が登場する。イチノが恋人である理美ちゃんを守ろうとせず、気絶してしまったことで責められると、なんで理美ちゃんが悲鳴をあげるのはよくて、イチノが気絶するのはダメなのか? と不思議に思う。

また、坂口が理美に惚れてしまい、猛烈なアプローチを始める。それを「理美ちゃんはイチノの恋人だから」と止めに入るのは晴ボンだ。坂口が理美に惚れるのは仕方がない。イチノではなく俺と付き合ってくれ、と告白するのもアリだ。それが厭なら理美が直接断わればいい。断わってもしつこくするようなら、そこで初めて他人の出番になるはず。

自分の体験的には、中学生くらいはもっとニュートラルというか全体的に中性に近くて、ここまで男の子が男らしく、女の子が女らしくを求められない時代だったと思うが、作中では理美はイチノのガールフレンドではなく「恋人」ということになっている。晴ボンと麻紀ちゃんも、ヒロと美晴、まさたかと唯などもそう。早々にキスをしているカップルもいたりして、かなり早熟な印象を受ける。

男は男らしく、女の子は女の子らしく、そういう魅力を追求すると、ジェンダー問題とかち合うなぁと思う。

それはそれとして、自分は麻紀ちゃんが好きだ。当時も好きだったが、今見ても魅力的だと思う。こういう子と一度付き合ってみたかったな。



漫画・コミックランキング