鞄に二冊

少しでも空き時間ができると、本が読みたくなる。

「海街Diary」の三姉妹の年齢と関係

第一話での佳乃のモノローグによれば、彼女が7歳の時に父が家を出、それから15年たって死亡の連絡がきた、ということだそうである。別の箇所では、短大を出て鎌倉八幡信用金庫に勤めて2年目ということだから、一致する。この時点で22歳である。

すずを引きとった時に千佳が近所の人から幸の年齢を訊かれて「29か8」と答える場面がある。その一年後に父の一周忌があるが、その少しあとに幸がすずに「若いんだから」と言われて「30だけど……」とつぶやくシーンがある。ということは一年前は29だったのだろう。だから佳乃より7歳上ということになる。

千佳の年齢ははっきりしない。両親が離婚したのは3歳か4歳の頃……とすずに話すシーンがある(3巻)。父が家を出た時に離婚したとし、この時を4歳とすると、佳乃とは3歳差ということになる。とすると父が死んだ時は19歳の未成年。既にスポーツMAX藤沢店で働いていることから、大学も短大も専門学校も行かず、高校を出てすぐに就職したようだ。(2巻70ページで19歳とあった)

父の一周忌の直前に祖母の七回忌が行なわれる(第3巻)。ということは、祖母が亡くなった時、幸が24歳、佳乃が17歳、千佳が14歳だったことになる。幸は就職して、収入を得ていただろうからまだ良かったが、佳乃は高校生、千佳は中学生である。その時から幸が二人の親代わりを務めたのだろう。

すずを引きとった時に、面倒を見るというのは経済的な問題だけじゃない、と言われ、実際高校進学などのことを考えてあげないといけないことがわかって「思ったより大変だ」と感じるシーンがあるが、それは千佳で経験済ではないのだろうか。それとも、その時は大船のおばさんがみてくれていたのだろうか。

亡くなられた祖父は高校の校長で祖母も中学の教師だったそうだから、年金はそこそこもらえていただろう。祖母の生きているうちは裕福とは言えないまでも、生活に困ることはなかっただろうが、祖母が亡くなったあと、稼ぎ手は幸一人でどうやって生活してきたのだろう。それなりの蓄えを残してくれていれば、なんとかなっただろうが……

佳乃が、「あたしの稼いだ金を何に使おうが、あたしの勝手だろうが」と言うシーンがある(見つからなかったけど、確かにあった)。いや、これまでさんざん(恐らく物心両面で)シャチねえの世話になってきたんだから、稼げるようになったら姉に返せよ、直接姉に返さなくても、三人で使える家具を買うとか、家のリフォーム代として積み立てるとか、そうすべきなんじゃないか。シャチねえはホストクラブにつぎ込みたくてもつぎ込むお金がなかっただろうから。

(別ブログより転載/original : 2010-02-28)