鞄に二冊

少しでも空き時間ができると、本が読みたくなる。

「穴殺人」3

  • 裸村「穴殺人」3

宮市の被害者の妹が黒須を訪ねてきた。被害者は、友人というほど親しくはなかったが顔見知りではあったため、何か消息を知らないかと相談に来たのだが、黒須は隠し事のできない体質のため、いろいろとやばいことに。一計を案じた宮市は、妹がヤクザの事務所を訪ねるように仕向け、その暴力団に乱暴させようとたくらむ。宮市自身は暴力団を(一緒に妹も)皆殺しにする……が、黒須の説得で妹だけは殺すのをやめる。

次に、前巻で登場した藤浦かよの逃亡を助けた整形外科医(榊)が登場。この榊も、整形外科医としての腕は確かだが、彼もまたシリアルキラーなのだった。なぜか宮市のことは以前から知っていて、自分の嫁にしたいと考えている。他にも、自分が誘拐してきた人を整形して、家族として一緒に暮らしているが、気に入らないことがあるとすぐ殺してしまう。そんな現場に刑事がやってくるが……

本巻の宮市は、事件がバレるをことを恐れた黒須が部屋に引き籠っていると、心配して訪ねてきて、何日も風呂に入っておらず臭う黒須にかまわず抱き着いたり、黒須が自分の下の名前(莉央)を呼んでくれないことにすねたり、呼ばれたら照れたり、いろいろと可愛い。前巻の感想で「恋心を抱いていないのは明らか」と書いたが、そうではないのかも知れない。

前巻でつかまった藤浦かよは、警察の尋問の前に何者かに殺された。殺したのは(恐らく)榊だ。整形した時に、自分が望んだ時にいつでも殺せる装置を体内に埋め込んでいたものと思われる。しかしそんなものが埋め込まれているのは、本人はわかっていたはずで、だから榊の疑似家族に対しては強制力になり得ていた(言うことを聞かないと殺すという)わけだが、なぜ藤浦はそれと知りつつ唯々諾々と従っていたのだろうか。



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(2020/6/29 記)