鞄に二冊

少しでも空き時間ができると、本が読みたくなる。

「穴殺人」7

  • 裸村「穴殺人」7

粗筋(ネタバレあり)

回復した宮市莉央は協会の世話になることになる。そこに安孫子すばるがいた。最初は親切な(だけの)人かと思われたが、黒須はそこにうさん臭さを感じ取る。そしてボランティア団体「表裏一体」の代表の顔にたどりつく。黒須は宮市に自身を取り戻させるため、協会に火を放ち、安孫子すばるを殺そうとするが果たせず。

そこへなんと榊が登場。榊によれば安孫子はかなり恐ろしい人物で、黒須が単独で殺せる相手ではない。そこで二人で協力して安孫子のもとから宮市を取り戻すことに。現在、安孫子と宮市は安孫子の息のかかった老人介護施設に住み込みで働いている。黒須と榊はそこへ忍び込み、安孫子を殺して宮市を奪還する計画を立てる。

シュナイダーは警察を辞めたかクビになったか、現在は私立探偵として山際春子と暮らしている。山際春子は風俗店で働いている。情報収集のためと、恐らくは生活費を得るため。二人は宮市を追い、殺す決意である……。

雑感

前巻で宮市莉央が生き返ったのに続き、本巻では榊の復活である。榊こそ完全に死んだはずだが、どうして生き返ったのかの説明はない。確かに、榊は終盤まで絡み続けるキャラかと思ったのにあっさり死ぬんだな、と思いはしたが、あの時は宮市も死んだから……

あらたな怪物(らしい)安孫子すばる登場。安孫子の出現は偶然ではなく、以前から宮市と因縁があったらしい。ただし、宮市や黒須と同年代と思われる若さだが、狂信的な信者を多数抱えていたり、大きな組織を率いていたり、そのあたりは現実感がない。

宮市は記憶を失ってすっかり普通の少女になってしまった。が、いくら記憶を失っても性格や嗜好は変わらないのではないかと思うがどうだろうか。自分が人を殺した自覚がなくても、介護施設で働いたりボランティア活動をしたりして、他人のために尽くすことに宮市が喜びを見出すとは思えないのだ。生きていくために猫をかぶっているというのならわかるが。


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