鞄に二冊

少しでも空き時間ができると、本が読みたくなる。

「先生、先生、先生」

神崎ユキは高校三年生で卒業後の就職も決まっている。が、地学で赤点を取りそう。地学の担当は融通の利かないことで有名な日下先生。救済措置として提示してくれた補講を一人で受けることに。気難しくて堅物の日下の補講を一人で受けるのは気が重かったが、話してみたら案外気さくで面白い人物だった。おまけにユキが作ってきた弁当を見て料理を褒めてくれた。

補講では授業では決して話題に出ない、日下がなぜ地学に興味を持ったか、地学のどこが魅力的なのか、といった話を聞いているうちに、ユキは地学に、そして日下に興味を抱くようになった。そして真面目に補講に出、それを褒められ、ふざけて「偉いでしょ、先生なでて」と言ったら本当に頭をなでられて、ぽーっとなってしまった……

日下は、作中では明言されないが、容貌からすれば恐らく50代ではないかと推察される(一応、独身ではある)。そんな年の離れた男性にぐんぐん惹かれていくユキを描いた話。ユキの感情と行動は、高校生らしく一途。その気持ちに対して日下は……

「スリーピングビューティーの見た夢」とは一転して、男と女ではあるが、教師と生徒、親子ほどの年の差という大きな壁が立ちはだかる恋を描いた物語。74ページ。



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