鞄に二冊

少しでも空き時間ができると、本が読みたくなる。

「政宗さまと景綱くん」1

政宗さまと景綱くん (1)

政宗さまと景綱くん (1)

掲載誌と掲載年月は不明だが、単行本が2015年8月だから、2014~2015年ぐらいの発表であろうか。大河ドラマ独眼竜政宗」は1987年だから、これは(少なくとも時期的には)かけ離れている。

ところで、大河ドラマで「主人公が無名過ぎて興味がわかない」などという感想も漏らす人が少なからずいる。それを受けて「やはり知られた人を出さないと視聴率が取れない」と言い出す人が出てくる。そういう風潮を僕は嫌っていて、登場人物が有名か無名かはドラマの出来とは関係ない、批判するならドラマを語れ、ドラマを語れない人に批判する資格はない、と言いたいと常々思っている。だいたい普通のドラマ(創作もの)は全登場人物が無名の人ではないか。

ところが、本作を読んで、こういう人の気持ちがわかる気がしてしまった。重野なおきが歴史に詳しく、史実を踏まえてユーモラスに話をまとめる技術に長けているのは、「軍師 黒田官兵衛伝」「真田魂」などで証明されている。本作も、よくできているはずなのだが、さほど面白いとは思えなかったのだ。それは、僕が、登場人物になじみがないからである。

作者もそのあたりはわかっていて、たとえば「輝宗は戦国大名にしては珍しく温厚で人が良かったといわれる」のように、適宜、説明が入る。しかし注を読んでもギャグが面白くなるわけではない。

というわけで、2巻を買うかどうかは微妙である。作者が悪いわけではない。


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