鞄に二冊

少しでも空き時間ができると、本が読みたくなる。

「わがままなオリーブ」2

紙版は1993年12月1日、少年画報社より刊。

昨日紹介したエピソードは、男と女が逆になると大変なことになる。大学生の「兄」が「友達」と、女性器が見たいからといって寝ている妹の下着を脱がせて見たり触ったりする……となると、これは強制わいせつ、犯罪の世界であり、ほのぼのエロコメディにはならない。

しかし、高校生の男の子が大学生の姉やその友達に、触られたり舐められたり、ついでに相手の裸を見せてもらったり、というのは「夢のような話」であり、大多数の男子高校生にとっては「うらやましい出来事」である、という大前提があって成り立つ話である。当時はこの前提が説明抜きで成り立っていたのである。

令和的観点では、男も女も関係なく、こうした行為は性的虐待である、というのがコモン・センスであろう。「うらやましい出来事」にするならば、せめて弟が友達のことを前から好きだったとか、関係を持ちたいと考えていたとかいう程度の条件を作っておかないと、受け入れられないだろう。

そういう意味でも時代を感じさせる作品である。



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