鞄に二冊

少しでも空き時間ができると、本が読みたくなる。

「のぼうの城」

原作小説を読んでしまった。読みやすい文体で一気呵成に読了。

時代小説の書き方として、しばしば未来のことに言及しているは、自分としては好きではない。過去に言及するのは良い。しかし、物語は臨場感を持って読みたい。その瞬間の視点だと、過去がわかっても不思議はないが、未来がわかるはずがないから、はなはだ興を削ぐ。説明のため、わかりやすさのためなのだろうが、学術書ではないのだから、そこは自分としては否定したい。

それはそれとして、原作は予想外に長い話だった。映画もコンパクトにまとまってはいたが、和田自身が脚本を書いていたのだから、ここの伸縮は自在にできよう。が、花咲アキラは、この長い話を独力で一冊の漫画にまとめたのか。だとすると、構成力が並ではないことになる。花咲アキラは思った以上にすごい漫画家なのかも知れない。



漫画・コミックランキング