鞄に二冊

少しでも空き時間ができると、本が読みたくなる。

「変な家」再び

2021年7月22日刊。2023年に最も売れた本だそうな。

映画を見て、こんな話だったかな? と思って再読。映画はホラーだったが、小説はサスペンスミステリー。設定は似ているものの、全く違う作品になっていたことが確認できた。本当の原作はYouTubeだそうだから、映画はそこに寄せたのかも知れないが……

特にストーリー展開が異なるのは後半部だ。著者らは誰かに襲われて殺されそうになったりしないし、柚希の祖父母の家に乗り込んで行ったりしない。代々殺人を行ない、また子孫にそれを強いる総本家へなんの備えもなく乗り込んでいくなんてホラー味が過ぎると思ったが、小説はそんな危ない展開ではなかった。

映画では省かれたが、小説で重要なのは、伯母の子ようちゃんが殺される事件と、片淵家に嫁いできた母・喜江も実は片淵の血を引いていたこと。だからこそ、人の心の恐ろしさを感じるのだ。

小説は、とにかく読みやすい。サクサク読めるが内容がスカスカということもない。令和のベストセラーはこういうものかと思う。とにかく小説が傑作であることは再確認できた。

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