鞄に二冊

少しでも空き時間ができると、本が読みたくなる。

素晴らしいピアノの森評

ここ最近「Feel in my bones」というブログで「ピアノの森」の感想や、それにまつわる話が続けて登場するが、適確で、この作品を相当に読み込んでいることが伝わってくる。単に、この作品が好きというより、基本的に読解力に優れていること、そして背景知識が豊富なことが、こうした鋭い理解につながっているのだろう。個々の解釈や説明は、どれも納得のいくものばかりである。

ピアノの森」に言及されているエントリ全部をリンクするとすごいことになるので、特に印象に残ったエントリのみリンク。と思ったが、すべてが印象的で、あまりセレクトできなかった。

海が、「雨宮のピアノが一番好きだ」という言葉が、胸に響く。

コンクールの課題曲が原作ではモーツァルトのK280だったのがK310に変更されていたのはなぜだかよくわからなかったのだけど、

つまりこれは、海が阿字野の思いも引き受けて決戦に臨む、ということを意味するのだということに気がついた。雨宮が父の思いをも背負ってしまうのに比べて、同じことなのに全然違うのがすごいと思う。

前回ドレスの紐が切れ、今回はけっ躓いたソフィー・オルメッソンは「どじっ子」要員なのか

朝、『ピアノの森』を読み直していてやはり泣けた。

若い方かと思っていたら、同い年だった。それでこんなに幅広く読書をされているとは驚き。

苦悩がそのまま美しい音楽になる、というところにショパンの本質のある部分があるんだ、ということを、マンガを通してこんなふうに表現できるんだなと感動する。

カイは小さいときから、自分のピアノが聞こえている。

(別ブログより転載/original : 2009-08-26