鞄に二冊

少しでも空き時間ができると、本が読みたくなる。

「死役所」4

  • あずみきし「死役所」4(新潮社バンチコミックス)

死役所 4巻: バンチコミックス

死役所 4巻: バンチコミックス

第16条は三樹ミチルの続編かと思ったらそうではなかった。第16~17条は、シ村が拘置所に囚われていた時の刑務官、杉の話。杉は、死刑囚といえども人間であり、刑が執行されるまで少しでも人間らしく過ごさせてやりたいと考え、そのように接するが、ある時死刑執行の担当者となり、そのことに耐えられず退職した。生前のシ村の姿が垣間見えるが性格は今と変わらない。なぜ死刑になったのかは謎。

三樹ミチルはこの後、あちこちウロウロして、やってくる人や他の職員にいろいろ口出しをするツッコミ専用の準レギュラーのような位置づけになる。こうしたキャラクターの存在も「走馬灯株式会社」をほうふつさせる。

死役所の職員は死刑囚がなることが明かされる。ミチルには内緒。ハヤシがぽろっとしゃべっちゃいそうだとニシ川は心配するが。

第18条は覚醒剤と不倫に溺れた主婦の話。子供を乗せて自動車を運転している時、警察に追われていると思い込んで暴走し事故を起こして死亡。ニシ川に「苦しかったんです」と訴えるが、「苦しかったのはあなたの子供たちでしょう?」と言い返される。その時初めて子供を同乗させていたことに気付く。なお子供は助かった模様だが、この主婦はそのことを知らない。

第19条は定食屋の主人・坂浦の話。坂浦の父親も定食屋を営んでいた。そこの従業員だった原島憲治は店の金を着服しようとしているところを坂浦父に見つかり、刺殺。この事件を坂浦は目撃していた。原島は逮捕され14年の実刑をくらうが、出所後、今度は坂浦を殺したというわけ。なんで原島は坂浦を殺したのか? (作品を読むと、裁判所で坂浦が原島を「ふざけんな、お前も死ね」などとののしっているため、それを恨みに思ってのことのように読めるが)シ村やイシ間らが、人はなんで人を殺すんだろうと悩む。いや、シ村は別に悩んではいないか。

第20条、ミチルが職員の条件を知ってしまう。漏らしたのは案の定ハヤシ。ミチルはシ村の記録を調べ、冤罪だったことを知る。そしてシ村にキスをし、成仏許可証を持って去っていく。



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