鞄に二冊

少しでも空き時間ができると、本が読みたくなる。

「小悪魔教師サイコ」2

  • 原作・三石メガネ、漫画・合田蛍冬「小悪魔教師サイコ」2(ぶんか社

2022年5月19日刊。初出は「COMICヤミツキ」Vol.7(2021年10月1日)~Vol.13(2022年4月1日)。

葛西心春の、自分をレイプしようとした佐々木、秋月への反撃は見事というしかない。襲われることがわかっていて呼び出しに応じ、最初は泣いて許しを乞い、服を脱がされてからは一転、余裕でリードし、佐々木を性交に誘うように見せて殺害。それを秋月がしたことに見せる。自分を慕う冬川アザミの利用の仕方も。

その後、事件がどうなったかはわからないが、秋月が言い逃れることは不可能だっただろう。彼の母親が哀れだが、そもそもは竜斗の兄が幼い葛西にしつこく嫌がらせをし続けたことが原因なのだから、スカッとするわけではないが、同情心は抑えられる。

その後は問題のあるクラスを治めた実績を買われ、氷坂高校へ転任。ここは生徒だけでなく教師にもいろいろ問題のありそうな人がいるが、真面目な生徒の協力も得て、少しずつクラスの事情を理解していく。そんな矢先、真面目だと思っていた生徒の行動が……?

葛西心春の可愛いところ、天然なところ、毅然としてカッコいいところ、そしてゾッとするほど恐ろしいところなど、魅力が詰まっている。氷坂高校で、下心むき出しで助力を申し出る同僚教師を撥ねつけるところはカッコよかったし、相手を油断させるため(恐らくは)とはいえ、佐々木らを大人のテクニック(?)で誘うところは色気たっぷりだったし。この女とヤれると信じて死んでいった佐々木は、ある意味幸せだったのかも。

どこまでが原作の魅力でどこからが作画の力なのかはわからないが、人気が出るのはよくわかる。



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