鞄に二冊

少しでも空き時間ができると、本が読みたくなる。

「ぼーっとしている人が「自分の人生と向き合う」ためのQ&A30」

  • 斗比主閲子「ぼーっとしている人が「自分の人生と向き合う」ためのQ&A30 改訂版」(TOPISYU新書)

初版2015年12月23日刊、改訂版2016年2月29日刊。

著者は人気ブロガーでネット界の「ご意見番」なのだそうだ。この方のブログは時たま見に行くことがある。そこで電子書籍を出していることを知り、高くもないので購入してみた次第。

エッセイなのかと思ったら、30のもやもや(悩み相談)およびその回答をまとめたものになっていた。質問は、本当に誰かから相談されたものなのか、自分で作成したものなのかはわからない。まあ、そこは問題ではない。

質問一覧を見ると、自分が悩みそうもない問題ばかり。主に女性をターゲットにした本と思われるため、当然かも知れないが。

著者の説明は、あまり情緒的にならず、理論的である。その点では好ましい。また、自分の意見を押し付けるというよりは、なるべく材料を与えて、最後は相談者に判断させる(ような方向に持って行こうとする)もので、この点も好ましい。この二点は、もし自分が誰かに相談されたら、そう振る舞いたいと考える態度である。自分に相談してくる人は、幸か不幸かいないけど。

著者の人間性が全く見えない。自分だったらこうするといった、自分の立場に引き込んでの回答を極力避けているためもあると思うが、プライバシーは意図的に鍵をかけているようにも感じる。

自分は、どういう人かわからない人に悩みを相談したいとは思わないから、そういう点ではすべてが他人事のような気がしなくもない。

本書そのものではないが、本書に関連して一番面白かったのは、本書を作成し、かつ売っていく上での苦労話をブログに書いていたこと。kindle本は自分も一度は出してみたいと思わなくもないので、そういう意味でおおいに参考になった。技術的には、kindleに限定すれば、電子書籍を作成し販売する敷居はそれほど高くはなさそうだ。問題は、ある程度まともな本にしようと思ったら、プロの編集者の協力は欠かせないこと。その通りなのだろうなと思う。



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