鞄に二冊

少しでも空き時間ができると、本が読みたくなる。

「はだかのくすりゆび」1(その2)

前回はあらすじを記録しただけで終わってしまった。

翠とマヤの(意外に緻密な)心理描写とそのダイナミックな変化が魅力である。

翠は、夫が仕事を優先して家庭のことを気にしてくれないことに不満を感じている。また、仕事とは言うが、実は仕事ではないのではないかということも、薄々感じ取っている。だからユキトに口説かれた時に心が動いたのだ。単なるマンネリ化した夫婦仲とか、生き甲斐のない専業主婦とかではない。

しかし、つい関係を持ってしまったけれど、一度だけにしようと決意し、ユキトにもそう告げる。が、その後夫の浮気が発覚。この事件がなければ翠がユキトと再び関係することはなかったかといえば、それはわからない。いずれにしても誘惑に負け関係が復活した可能性はある。が、浮気を知って心が折れたというのは納得のいくところ。

とはいえ、いくら娘が酔って泥酔しているからとはいえ、家の中でヤるなよ……と思ったら、なんとマヤが二人を目撃していた。マヤはショックを受ける。それはショックだろう。自分の恋人がよりによって母親と関係していたのだから。しかしマヤがショックを受けた一番大きな理由は、母親が女だと知ってしまったことだった。これもまた、なるほどなあと思わせられる。

その後はさらに驚きの展開で、なんとマヤはこっそりとユキトの家へ行き、二人がイタしている一部始終を窺う。そして自分も母親と同じ女であることを知るところで一巻が終わる。かなり衝撃の展開である。

はだかのくすりゆび 1

はだかのくすりゆび 1


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