鞄に二冊

少しでも空き時間ができると、本が読みたくなる。

「将棋の渡辺くん」5

2015年度は渡辺明は最年少タイトルホルダーだったが、2018年度は最年長タイトルほりだーだった、という話には驚いた。というわけで調べてみた。

年度 名人 棋聖 王位 王座 竜王 王将 棋王 叡王 年末時点の年齢
2015 羽生善治 羽生善治 羽生善治 羽生善治 渡辺明 郷田真隆 渡辺明 - 羽生45、郷田44、渡辺31
2016 佐藤天彦 羽生善治 羽生善治 羽生善治 渡辺明 久保利明 渡辺明 - 久保41、佐藤28
2017 佐藤天彦 羽生善治 菅井竜也 中村太地 羽生善治 久保利明 渡辺明 高見泰地 中村27、菅井25、高見24
2018 佐藤天彦 豊島将之 豊島将之 斎藤慎太郎 広瀬章人 渡辺明 渡辺明 永瀬拓矢 広瀬31、豊島28、永瀬26、斎藤25
2019 豊島将之 渡辺明 木村一基 永瀬拓矢 豊島将之 渡辺明 渡辺明 豊島将之 木村46
2020 渡辺明 藤井聡太 藤井聡太 永瀬拓矢 豊島将之 渡辺明 渡辺明 豊島将之 藤井18

2015年までは特定少数の人がタイトルを分け合っている感が強いが、2016年の佐藤天彦にはじまり、菅井、中村、豊島、斎藤、永瀬と続々と若手が名乗りをあげ、ひとつまたひとつとタイトルを奪い取って行った。途中、木村一基という最年長初タイトルの大器晩成の人も登場する(それも本巻で描かれる)が一期で終わり。その延長線上に藤井聡太クンがいるというわけである。まさに劇的な世代交代だ。

「いずれ藤井くんがくる」という渡辺くんに対し、奥さんが「もう真後ろにいるんじゃないの?」と言って後ろを振り返るところがかわいい。本巻では、藤井聡太との初対決(2019年2月16日、朝日杯決勝)の様子が描かれる。

本作品は「別冊少年マガジン」に連載されているが、「週刊少年マガジン」に何度か出張掲載されたことがあったようである。そこで描かれた「それでも明は寄せてくる」(「それでも歩は寄せてくる」のパロディ)では、伊奈めぐみが八乙女うるしそっくりの顔をして「強くはなってきてるけどまだまだなー」と呟く。後輩(?)の渡辺くんが「は? 誰に向かって言ってるの?」とキレるところがおかしい。「それでも歩は寄せてくる」の真似をしただけだよ! と言い返すと「そのツンデレ、リアルな中年夫婦ではイタいからやめた方がいいよ」と、全然ノってくれない。かわいそうに。

それにしても、伊奈めぐみはギャグのセンスは結構すごいものがあると思う。月刊一本だけではもったいない。レポものとか結構いけそうな気がするが。


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