鞄に二冊

少しでも空き時間ができると、本が読みたくなる。

「挑戦者」1

ギャグの全くない本格ボクシング漫画。島本和彦の絵はもともと劇画タッチであり、真面目に描けばこれだけのものが描けるのだ。妙に昭和を感じさせるようなノスタルジックな雰囲気もあり、スポーツというより原始の殴り合いをしているようなボクサー(たち)である。誠に面白い。

面白いのであるが、不安でもある。島本和彦が本一冊まるまるギャグなしなど、どこか頭がおかしくなったのか、それとも次のページでまとめて壮大なギャグが始まるのか、等々、気になって安心してのめりこめないのである。思えば小山ゆうの「がんばれ元気」を読んだ時も小林まことの「シロマダラ」を読んだ時も、いつギャグになるのかと思い、ギャグでもなんでもないシーンでこれがギャグかと笑ってみたり、落ち着いて読めなかったものだ(今ではもう「そういう作品」だとわかっているから安心して読み返せるが)。

続きは気になるが、2巻以降を買うかどうかは微妙。



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