鞄に二冊

少しでも空き時間ができると、本が読みたくなる。

「県立海空高校野球部員山下たろーくん」1 - 5

あーはやった、はやった、学生時代によく読んだ。*1その後すっかり存在を忘れていたけど、たまたまAmazonに単行本が揃っていることに気付き、とりあえず5巻まで購入。

アレですね。高校野球部というのは、私立の強豪校は有力選手をスカウトしてきたり、実績に惹かれて素質のあるプレイヤーが集まってくる。公立高校はそうではなく、最初からハンディキャップを背負っているようなものだが、そこを努力と根性と工夫とチームワークによってレベルアップし、強豪校に勝って行く……というのは、ベースとしてはちばあきお「キャプテン」ですかね。ひときわ身体の小さい主人公が「史上最高になる」と叫んで奮闘するところや、エースで四番であることなどは「4P田中くん」を彷彿させる(いや、時代的には4P田中くんの方があとか)。

しかし、私立強豪校と公立の差は、ちょっと努力したくらいで埋まるものなのか? 私立強豪校は、授業もそこそこに毎日野球漬けの日々を送っているが、公立は授業をおろそかにはできない。優秀な指導者の有無もある(「キャプテン」も「4P田中くん」も本作も、そもそも大人の指導者がいない)。潤沢な部費がなければ遠征して練習試合を組むこともままならず、並べればきりがないほど大きな壁が存在する。

それを乗り越えるには、それだけの「説得力」が必要だ。「おおきく振りかぶって」は、監督の百枝がタレントである。彼女の「頭脳」で他有力校との差を埋めていく、というのはわかりやすい(その分理屈っぽいのであまり好きではないけど)。

本作は、試合のシーンはソコソコ面白いが、やはり現実離れしている感は否めず。6巻以降を買うことはないかな。


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(2019/11/17 記)

*1:確認したら、連載開始は1986年で、既に自分は就職している年だ。「少年ジャンプ」は「北斗の拳」が面白くなくなって読むのをやめたはずだが、就職してからもまだ読んでいたんだったっけ?