鞄に二冊

少しでも空き時間ができると、本が読みたくなる。

「忘却バッテリー」1~3

1巻は2018年9月4日、2巻は2018年12月4日、3巻は2019年3月4日刊。「少年ジャンプ+」で2018年4月26日より連載中。

サッカーだと、女性の漫画家が描いた作品はいろいろと思い浮かぶ(塀内夏子大島司、樋口大輔、大武ユキ、……)が、野球漫画となると、ひぐちアサの「おおきく振りかぶって」ぐらいしか思い当たるものがない。裾野が広がるのはいいことだ。

本作はWeb広告にあって興味を持って読み始めたところ、止まらなくなった。とりあえず3巻まででメモ。

清峰葉流火と要圭は中学野球界では知らぬ者がいない天才バッテリーで、有名高校から引く手あまただったが、なぜか野球部のない都立小手指高校へ進学した。実は要圭が理由はわからないが突如記憶喪失に陥り、野球に興味をなくし、家から近い高校を希望したため。清峰は要でなければ自分の球は受けられないという理由で要と同じ高校へ進学。野球同好会に入って野球を続ける。

この野球同好会には、リトルリーグでそれなりに活躍した山田太郎、藤堂葵、千早瞬平も集まっていた。彼らは清峰・要バッテリーと対戦してレベルの違いを見せつけられ、野球を断念して都立高に進学したのだ。が、よりによってその二人と同じ高校になり、一度は野球を諦めた自身を顧みたり、清峰の凄さを目の当たりにしたり、一方で清峰の自己中心的過ぎる性格に辟易したり、記憶をなくしてただのチャラ男と化した要に驚いたりしながら、とにかく野球を続けようとする。

3巻の最終話で、どうも要の記憶が戻ったようだ……

というのが粗筋。

天才と言われたバッテリーが、記憶喪失ゆえに都立高へ行き、彼らに負けて野球の道を諦めたはずの人と出会う、という設定は興味深い。もしかしてこれから、このメンツで甲子園を目指し始めるのかも知れないが、この5人以外は野球経験のなさそうな人と、いくら練習しても都大会の上位が目指せるものか、とか、他の部員は気楽に野球を楽しむために同好会を作ったのに、いきなり甲子園を目指すとか言われたら厭だろうな、とか、いくら才能があっても(大人の)監督もいないチームで成長できるものか、とか、いろいろ気になる。「キャプテン」や「プレイボール」ではそれが実現してしまうが、本作ではどういう展開になるのだろうか。



漫画・コミックランキング