鞄に二冊

少しでも空き時間ができると、本が読みたくなる。

「プレイボール2」12(完結)

谷原相手に、9回6点を取って同点に追いつき、延長戦にもつれ込む。が、その後の試合展開は示されず、翌日勝ち上がった谷原が回想する……という形で語られる。勝つには勝ったがボロボロにされた……という形で、谷口の高校野球は終わりを告げる。もともとの青写真では、谷口の高校三年の夏には甲子園に行く予定だったはずだが、さすがにあのチームが東京都予選を勝ち抜くのは非現実的だと思ったのだろう。

谷口は進学を諦め、父の後を継いで大工になると決意。しかし倉橋の働きかけと部長の進言により、予備校に通って大学を目指しつつ、墨高の監督を務めることに。今度は監督として甲子園を目指すところで完結。もっと続くかと思ったのに、案外終わりは早かった。

谷口の監督就任は面白いアイデアだと思った。野球のわかる大人がチームにおらず、すべて生徒だけで決めて実行するというのは、「キャプテン」でも見られたちばあきお野球の特徴だが、現実にはいろいろ問題ありで、コージィ城倉はそこを見逃さなかったな、というのがひとつ。また、谷口の次のキャプテンは丸井になったが、丸井は「転校生の自分には資格がない」(確かに丸井はそういうことにこだわりそう)であることに加え、中学生の時にチームが空中分解を起こしかけたことがあって、それをずっと引きずっていた。半田が副キャプテンになれば当時とは違うと思うが、丸井は、先頭に立ってみなを引っ張っていくより、谷口の陰で後輩を指導する方が合っていると思う。その意味で谷口の監督は確かに相応しいと思える。

もっとも、受験勉強との掛け持ちでの監督就任は、ちょっと非現実的と思うが。受験に最も大切な夏は、野球一色なってしまいそう。受験にはあまり期待できそうにないが、チームは強くなるだろう。



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