鞄に二冊

少しでも空き時間ができると、本が読みたくなる。

どうして二人は一緒にいられないの?「アシガール」10

あらすじ

逸る羽木軍を抑えるのは難事だったが、唯はついに黒羽城の人々を説得し、野上の手助けもあって逃亡させることに成功。これも野上との和議を進めていた忠清の成果だ。

また、小垣にいる忠清はわずか200で5000の織田・高山軍を防いでいる(まだ生きている)との知らせも。唯はもば兵くんを成之に託し、小垣へ走る。羽木の妖術に怖気づいた相賀一成は攻撃を躊躇し、その間に皆は野上まで逃れる。しびれを切らし攻め込んだ高山軍の前には人が一人もいなかった。ついさきほどまであんなに大勢見えたのに!

唯は小垣上のふもとまではなんとかたどり着いたが、城のまわりは織田・高山軍が囲んでいてとても中へは入れない。が、ちょうど総大将(名目だけだが)の高山宗熊がいたため、降伏を一日待ってもらい、中へ入れてもらう。そして忠清を説得して婚姻の式を挙げる。

そうして満月の夜がやってきた。唯は忠清を平成の世へ送ろうと考えていたのだ。が、忠清は頑として拒む。あと一回だけ使えるタイムマシン起動装置をどちらが使うかで大げんかが始まるが、結局、「お前をここで死なせるようなことあらば、この忠清が生涯悔いのみ残るものとわからぬか!」という言葉に説得された唯が戻ることになった。唯が消えるところで10巻終了。

小垣城陥落前夜

唯が婚礼をあげたいと言った時、忠清は断わった。明後日にはどうなるかわからない立場で嫁は娶れないと。

木村妻「若君様、差し出口をお許しくださりませ。若君様のお言葉、唯殿を想うが故と存じておりまするが、女子の想いはまた別にござりまする。たとえ一夜の契りでもそれを胸に生きて行けるものでござる」
木村「そうじゃ若君、女子の身でこうまでして命懸けてここまで参ったのじゃ。四の五の申されず一生分抱いておやりなされ」

雑感

お互いに自分の命より相手の命が大事で、それほどまでに大事に思っている相手が、自分のことを相手よりも大事だと思ってくれる、それを感じ合えることのなんと幸せなことか。

それにしても、投降した忠清はすぐには殺されまいが、その後はわかったものではない。また平成に帰った唯は、二度と忠清と会えないのか。ここまで万難を排して再会し、婚儀まであげたのに、またしてもお床入りはなかったし。先が気になって仕方がない。


漫画・コミックランキング