鞄に二冊

少しでも空き時間ができると、本が読みたくなる。

「ポーション頼みで生き延びます!」1

異世界転生もの。

異世界転生もの、という分野がしばらく前から急速に漫画の一分野として市民権を得つつあるということは感じていた。というのは、ここ数年、それをネタにしたパロディ漫画を山ほど目にするようになったからだ。パロディではなく、その「元」になる作品は自分は全く知らないが、特に違和感なく設定(世界観)を受け入れることができた。

というのは、恐らく漫画の前に小説の世界に興隆があったのだと思うが、元をたどればゲーム(アドベンチャーゲーム)であろう。いや、アドベンチャーゲームも自分ではプレイしたことはないが、周囲に嵌まっている人は何人もいたから、だいたいのところはわかる。

というわけでもう何年も前から、その分野の漫画作品はそれなりに楽しんできたのだが、パロディではない、ちゃんとした(?)作品は接したことがなかった。そういう意味では本作が初になる。広告で知って、たまにはこういうのもいいかと、購入。

読んでみてしみじみ感じたが、このジャンルがこれだけ広まってしまうと、新作は何を書いてもパロディになってしまうんだな、ということだ。主人公は「そういう世界がある」ことを知っているし、読者も「そういう分野の作品がある」ことを知っていることが前提になっている。それはそれで面白くないわけではないのだが、「誰も何も知らない」という前提には、もう立てないんだろうな。そこは後発作品のつらいところだ。


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