鞄に二冊

少しでも空き時間ができると、本が読みたくなる。

「夏の休暇」

1989年8月30日刊。短編集、13編所収。初出は1983年~1988年。

すべて恋愛小説。「柔らかい孤独」ではスポーツ用品店に勤める登場人物がプロ野球選手とやりとりするシーンがちょっとだけ描かれるが、スポーツに関係するシーンはそこだけ。

正直なところ、ほとんどの登場人物に共感できない。既婚者でありながら別の相手と平気で付き合う。好きになって深い関係になるが、あっという間に冷め、相手を疎ましく思うなど、どのあたりに共感すればいいのだろうか。「わかる。一度ヤッちゃうと、もうどうでもよくなるんだよなあ」と思う読者が多いのか。

相手と連絡を取るのに、会社へ電話するとか、待ち合わせの喫茶店に電話して客を呼び出してもらうとかいうあたりは、携帯電話がない時代のお約束。今の若い人だと時代劇を読むような感覚に陥るのではないか。ラジカセにカセットテープを入れて音楽を鳴らすとか。



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