鞄に二冊

少しでも空き時間ができると、本が読みたくなる。

「魔女の執行人」1(新刊)

2024年2月2日刊。

「魔女もの」というのはファンタジー漫画の一分野として、一定のジャンルを構築しつつあるように思う。そしてどうやら「魔女もの」はショタととても相性がいい。

強力な魔力を持つナターリアと同居する少年エリオット。ナターリアは少なくとも数百年以上生きているが、美人で、スタイルが良く、見た目も若々しい。わがままで、だらしなくて、エリオットが掃除をしても二日で何がどこにあるかわからないほど散らかしてしまう。立場的にはエリオットはナターリアに仕える召し使いだが、生活を支えているのは明らかにエリオットだ。こういう役割分担は定番でもあるが、刺激的でもある。

ナターシャは部屋では超ミニのスカートを穿き、足を投げ出して寝転んでいることが多い。上着は胸元が大きく開いている。が、エリオットが胸の谷間やスカートから生えている太ももに興味を示す描写はない。

冒頭、ナターシャは、とある魔女に呪いをかけられ、人間ではいられなくなりつつあったエリオットと出会う。ナターシャの魔力で呪いを抑え、「自分の目の届くところで生活するように」と同居を命じる。呪いそのものは呪いをかけた当の魔女しか解けないため、その魔女を捕まえるための協力を依頼。ナターシャは秩序を乱した魔女を捕らえる「魔女の執行人」だった……

魔女の住む世界が月にあるという設定だけはいただけない。月についてはかなりのことがわかっていて、そこに生物はおらず、まして文明社会が築かれていることはないとわかっているからだ。それは望遠鏡を覗けば素人でも確認できる。もう少し別の「世界」を設定してほしかったが、そこに本質はないので、そういう「月」と呼ばれる「異世界」があるということで納得しておく。

ストーリー展開はなかなかスリリングで面白い。バトル漫画としてもよい出来だが、今後、ナインの魂をどう救済していくのかが気になる。



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