鞄に二冊

少しでも空き時間ができると、本が読みたくなる。

2010-01-01から1年間の記事一覧

こういう夫婦があっていい

奥田英朗、「家日和」(集英社文庫) 奥田英朗は「イン・ザ・プール」で嵌まった。立て続けに「空中ブランコ」「町長選挙」の伊良部シリーズですっかり毒気に当てられ、「東京物語」で完全にやられた。というわけで今は過去の作品を順に読んでいるところ。短…

作品の並べ方に不満

阿刀田高[選]、「すこぶる奇妙にこわい話」(光文社文庫) 一般応募から阿刀田高が選ぶ「寄せられた体験シリーズ」も本書で10冊目となる。このシリーズは新刊が出ると買うことにしている。「体験」となっているが、フィクションを許容されている。大事なのは…

痛恨の赤川本

赤川次郎、「幽霊社員」(文春文庫) 赤川次郎の著作は多い(2008年に500作を超えた)。当然、シリーズ化された作品も多い。著名な三毛猫ホームズシリーズのほか、三姉妹探偵団、大貫警部、そしてこの幽霊シリーズなどだ。もともとオール讀物推理小説新人賞…

誇りを取り戻すには

渡辺容子、「左手に告げるなかれ」(講談社文庫) ツいている時はとことんツいていることを実感。立て続けに今まで読んだことのない作家の本を買ってきたが、今回もまた期待を裏切らない内容だった。最近の江戸川乱歩賞受賞作はこんなに好みに合っているのか…

転落した女の心理

永嶋恵美、「転落」(講談社文庫) 書店に並んでいたの本書に何気なく目が留まり、買ってみた。聞いたことのない著者である。これが当たりだった。こんな作品にぶつかるとは。こうした喜びというのはなかなか他人と分かちあうというわけにはいかないが、本読…

だから生きていて嬉しい

高野和明、「6時間後に君は死ぬ」(講談社文庫) 書店に並んでいたの本書に何気なく目が留まり、買ってみた。夢中になって一気に読了。こんなに面白い作品があったのか。こんな面白い作品を書く作家がいたのか。書店にずらりと並んでいる本の中のどれに目が…

鞄に二冊

少しでも空き時間ができると、本が読みたくなる。携行している本が一冊しかないと猛烈な不安に襲われる。この本を読み終わってしまったら、読む本がないから。もしその本が、読み続けるに堪えないものであったら、困るから。いったん読み始めた本を途中で放…