鞄に二冊

少しでも空き時間ができると、本が読みたくなる。

「ミステリと言う勿れ」3

  • 田村由美「ミステリと言う勿れ」3(フラワーコミックスアルファ)

テレビドラマを見る前に原作漫画の方の感想を書き終えてしまおうと思っていたのだが、筆が進まないうちにドラマがどんどん過ぎていく。

2巻から続くエピソード4(遺産相続事件)が引き続き語られる。謎が謎を呼ぶ複雑な展開。3巻でも完結しない。

2巻の感想に「変わらないものもある。それは、語り続ける整の性格だ」と書いた。が、ここでは久能くんの話はまともに取り合ってもらえない(久能いわく「話をきいてくれない一族……」)。無視される、聞いているはずの人が大声で話し出し、久能の話が霞んでしまう、「僕が口を出すことじゃないですけど」のように言うと「じゃ、黙りなさい」と言い返される。などなど。こういう人たちもいるのだと思うとオカシイ。

この巻は、ストーリーとは別に、久能が語る話の中に注目したいエピソードがある。父親たちを集めて、簡単な仕事をさせる。が、数分おきに邪魔をする。父親たちはイライラし、誰も完遂できない。彼らが怒ると主催者が、これが育児ですと答える……。「僕は常々思っているんですが、もし家にいて家事と子育てをすることが本当に簡単で楽なことだったら、もっと男性がやりたがると思う」

解決編は次の巻へ続く。

初出一覧

No. タイトル 掲載誌
Episode 4-2 相続人の事情 月刊フラワーズ2018年6月号
Episode 4-3 落とされたものは 月刊フラワーズ2018年7月号
Episode 4-4 鬼の集 月刊フラワーズ2018年9月号
Episode 4-5 殺すのが早すぎた 月刊フラワーズ2018年10月号



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