- 織田涼「能面女子の花子さん」9(ITANコミックス)
2023年11月13日刊。ついに完結。
実も蓋もない書き方だが、ざっと結論を書くと、花子は面を取って素顔をクラスメートに(読者にも)さらした。その後、教職を取り、母校で教師となった。
三郎さんは花子とも結婚を諦めた。
賢司は、香穂からあれほど言われたにも関わらず、花子に自分の気持ちを伝えられずにいる。
花子がちゃんと面を取ったのは潔いが、単なる美少女で、意外性はなかった。三郎は結婚を諦め、花子×三郎の関係はひとつの結論をみたが、花子自身が言及しているように、能楽師の後継ぎの妻となれば、好きなだけでは務まらず、その点で花子というのはもともと問題外だったから、ある意味当然の帰結である。
自分は、賢司と結ばれるのが一番いいと思うのだが、こちらは全く何の進展もなかったのが残念。9巻にもわたって、一体何をしてきたのだ。
最後まで面白く読んだが、1~2巻のノリからすると、テンションが落ちて来た感は否めない。
あとがきで作者が「8年も続いた」と感慨に耽っている。が、休載期間がかなりあった。作者の病気のためらしいが真相は不明。充電期間とか、女性の場合は産休ということもあるが、いずれにせよ、8年間連載を続けていたわけではない。
なおITANという雑誌は、2018年6月7日号をもって休刊になったそうだ。以後は以後はコミックDaysに移行したとのこと。今回初めて知った。