鞄に二冊

少しでも空き時間ができると、本が読みたくなる。

「おるすばんごはん」

2020年9月14日刊。巻数表示はないが、2巻が発売されているからこれは1巻。

小坂俊史は好きな漫画家だが、「新婚よそじのメシ事情」を読み返していて、そういえば小坂の妻は同業の王嶋環なんだよなあと思い出し、どんな作品なのか読んでみることにした。たくさんある中、取っつきやすそうな本作を。

面白い。主人公の土井楓花は小学6年生だが言うことが何かと年寄りくさい。それは楓花がおばあちゃん子だからで、シングルマザーの母が仕事をしている間、面倒を見てくれるのはおばあちゃんなのだ。このおばあちゃん、なかなか捌けた人で、楓花が「えっそんなことしていいの!?」と言いたくなることを平気でしたりする。

で、おばあちゃんから料理を教わってひとつひとつ作ってみる、という話。第一話の料理を作った時、なぜおばあちゃんには食べさせず、自分一人で食べているのか不思議だったが、そういうことか……この仕掛けには驚いた。

話はハートウォーミングだがもうひとつ、紹介されるメニューがなかなかそそる。自分は料理漫画は大好きで、「美味しんぼ」も「ザ・シェフ」も「中華一番!」も「キッチンの達人」も「大使閣下の料理人」も「きのう何食べた?」も揃えているが、それを見て「あ、この料理を作ってみたいな」と思ったことはほとんどない。漫画作品として読んでいるので、レシピ本として読んでいるわけではないからだ。が、本作は、作ってみたいと思わせるレシピばかりが続く。恐らくそれは、小学生でも作れるくらい簡単で、かつ、「おいしそう」だからだ。



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