鞄に二冊

少しでも空き時間ができると、本が読みたくなる。

「スーパーの裏でヤニ吸うふたり」1

1巻は2022年8月25日刊。間もなく4巻が発売される。

サラリーマンの佐々木は、煙草を吸える場所を求めてスーパーの裏の喫煙所。部外者が吸っていいのか躊躇するが、田山という女性から声をかけられ、連れモクすることに。徐々に田山と親しくなっていくが……

いい年齢の大人の純情な恋愛物語は大好物である。最近知った作品だと、タイプはまるで違うが「理想のおとなりさん」も同類といえるか。大人だから純情でないということはないので、不思議ではないが、「からかい上手の高木さん」の高木さんの方が精神的にはずっと成熟している気はする。

佐々木はスーパーで働く山田という女性が気に入っていて、彼女の顔を見るのが唯一の癒しになっている。実は山田と田山は同一人物なのだが、佐々木はそれに気づかない。山田とは口をきいたことがないから、声や喋り方の違いがわからないということはあるが、眼鏡の有無とか、髭の有無とかがあるわけではないのに。

これは男性によくある、女性を認識する時に髪形(髪の長さ)で区別する、というのがあって、山田はショートだが田山はやや長い上に、山田は髪をきちんと分けているのに対し田山はそうではないから、なのだ。髪型はともかく髪の長さは気になっていたが、店長(女性)までが田山(?)に「その髪はどうなっているんだ」と訊いていたから、山田の髪型の変化は女性なら誰でもわかるというものでもないらしい。