鞄に二冊

少しでも空き時間ができると、本が読みたくなる。

2019-01-01から1年間の記事一覧

「川柳少女」9

五十嵐正邦「川柳少女」9 8巻が出たのが3月、それなのに6月に9巻、7月に10巻が発売されていた。単行本一冊の原稿がたまるのに休載がなくても3ヵ月半かかるのだから、このペースは異常である。と思ったら、なんと9巻は全編書き下ろしなのだった。週刊連載をや…

「夫の扶養からぬけだしたい」

ゆむい作、「夫の扶養からぬけだしたい」 Webでやたらに広告が出て来て、気になるのでつい買ってしまった。夫婦の役割分担というのは本当に難しいと思う。自分の家でも苦労しているし、まして他人の家庭に「こうすべき」などということは言えない。「夫婦二…

「ゴッド・アーム」1 - 5

1976~77年の作品。梶原一騎による貴重なSFファンタジー・アクション・ヒーローもの。桑田次郎とのコンビ作品も、恐らくこの一作のみ。内容のトンデモぶりが一部マニアの間で話題になっており、機会があれば一度読んでみたいとは思っていた。実物を(Amazon…

「中川いさみのマンガ家再入門」2

一色まことは、「花田少年史」「ピアノの森」などの作品で知られるが、謎の漫画家だ。本名も生年も公開していない。男か女かもわからない(Wikipediaでは女性と断定されているが)。名作「ピアノの森」はたびたび長い中断があり、完結までにかなり時間がかか…

「不浄を拭うひと」

沖田×華の作品。衝撃的な作品。こういう話は沖田にしか描けない。しかしkindleは分冊版しかないのか? 分冊版は、試しに読んでみたい人にはいいだろうが、徒らに冊数が増えるのは避けたいのだ。不浄を拭うひと(分冊版) 【第1話】 (本当にあった笑える話)作…

「エイジ」コンプリート・エディション

「エイジ」の単行本が出たのが1985年で、もちろん即、購入した。これはこれで、ボクシング漫画というより、高校生の「ひと夏の物語」として、完結した作品であると言えないこともない。ただ、その後も雑誌には断続的に続きが描かれていたようなのだが、いつ…

「江川と西本」1~10と11

江川も西本も(世代だから)よーく知っているし、森高夕次の野球漫画は改めて言うまでもなく面白い。しかし作画担当が星野泰視なのは驚いた。かつて少年マガジンで長期連載された「哲也-雀聖と呼ばれた男」は面白かったし何より絵が魅力的だった。モーニング…

「まさちゅーせっつ」1~2

1993年、ビッグコミックスペリオール誌に波南カンコの「まさちゅーせっつ」という漫画の連載が始まった。ギャグ4コマで一回数ページの作品なのだが、ほのぼの系ではなく、恋愛系でもなく、下ネタでも雑学系でもなく、不条理漫画とでもいうのか、妙なおかしさ…

「JJM 女子柔道部物語」6

小林まことが「女子柔道部物語」の連載を始めた時は、なにせあの小林まことの作品だから期待したし、当初から購読していた。そして実際面白くはあったのだが、「柔道部物語」に比べて冒頭からのめり込むような面白さというわけではなかった。それが、九戸か…

「猫の手貸します」

「猫の手貸します」は、1987年、講談社のアフタヌーン四季賞の受賞作。当初は読み切り作品であったが、それを第一話として連載となった。もう30年以上も前の話だ。当時のアフタヌーンには面白い話が多かった。まず読み切りで書いて、よければそれを連載化す…

「なまけ者の楽園」1~2

あやせ理子の作品は「ハートのしっぽ」しか電子化されないのかなあ(これはこれで名作だが)と思ってたところ、あの傑作「なまけ者の楽園」がkindleで出ていることに気付き、購入した。紙の単行本は1、2巻を持っているが、kindle版もそれと同一で、他になか…

「コーポ失楽園」

五十嵐正邦を検索していて「コーポ失楽園」を見つけ、「えっ、これも五十嵐正邦だったの!?」と驚愕した。この作品は「少年マガジン」に連載されていた時に一応読んでいたが、はっきりいってあまり面白いものとは言えなかったし、絵柄も内容も、今の五十嵐…

「BET」1~3

何がきっかけでこの漫画を知ったのかは記憶にない。作者のオフィシャルサイトにも詳細な記載がないため、初出がいつ頃で掲載誌が何かもわからない。この作者、押川雲太朗の他の作品も読んだことはない。恐らく20年くらい前に、kioskに単行本が置いてあって、…

「チェイサー」6

最終巻なのは意外だ。終盤で時間が一気に流れたが、まだまだ続けてほしかった。なんらかの「判断」が働いた結果かも知れないが、漫画自体も地味ながら面白かったし、手塚治虫評伝として、また昭和30年代・40年代の漫画史的な意味合いもあり、連載終了は残念…

透明なゆりかご~産婦人科医院看護師見習い日記~

沖田×華の名前は、「本当にあった笑える話」を通読していた頃に「毎日やらかしてます。」という作品を読んでいたため名前は知っていた。発達障害を抱え、苦労しつつも周囲の理解や手助けに支えられて、細々と漫画家をやっているのだと思っていた。こんな著名…

「宇宙兄弟」35

シャロン月面天文台がついに完成。ここまでくるのにとてもとても苦労したから、まさかまたダメだなんて言わないでくれよ、頼むよ、と拝むような気持で読んでいた。ランプが点灯した時は本当に感動した。その上、その天文台を使ってエンジニアチームが最初に…

「プレイボール2」1 - 5

「プレイボール2」の連載が始まった時は大きな期待をし、リアルタイムで読みたかったから掲載誌のグランドジャンプの購読を始めたのだが、4巻が終わるあたりで、今後は単行本を買えば雑誌はいらないな、と判断しグランドジャンプの購読を中止。つまり4巻の最…

「川柳少女」8

表紙の七々子はこれまでで一番かわいい。本巻では、ついに七々子とエージが自分の相手に対する気持ちに気付き、いつかちゃんと告白するぞと決意するシーンがある。「いつか」というのが彼ららしいが、いよいよ先を期待させる展開である。ますます快調で目を…

「川柳少女」7

五十嵐正邦「川柳少女」7 そろそろ新しい巻が出た頃かと検索していたら、7巻がとっくに出ていた(のに気付かず買い漏らしていた)。第一巻から最新刊まですべてAmazonで買っている本は、次巻も出たら買うに決まっているんだから、「そろそろ次の巻が出ますよ…

「信長協奏曲」18

「信長協奏曲」は漫画史に残る傑作で、現在連載中の作品の中では一押し作品。本日最新刊の18巻発売。これまでも、本多忠勝はいい味を出していたが、本巻では榊原康政との掛け合い漫才に何度も爆笑させられた。井伊万千代は、井伊直政として再登場。過去の感…